Lucas 数や Fibonacci 数, 黄金比を含む無限和の計算方法について纏めました.
キーワード Lucas 数, Fibonacci 数, 黄金比, 無限級数
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プレヴュー
この pdf に載せた級数の中でも, 特に私が感慨深いと感じているものを幾つかご紹介します.
この無限和は, Fibonacci 数と正接 (タンジェント) の間に成立する, とある簡潔な恒等式から発生するものです. 足し算の繰りかえしによって定義される算術的な Fibonacci 数と, 幾何的な背景を持つ正接比とが親密な関係にあるというのは, とても奥深く感じられる事実です.
連続する四つの Fibonacci 数の積, \begin{align} F_nF_{n+1}F_{n+2}F_{n+3} \end{align} の逆数和を計算できてしまうというのが, この命題です. これは次の級数にも通ずるところですが, Fibonacci 数と四乗という指数には相性の好さが見うけられます.
これもまた Fibonaci 数の四次式を含む級数です. を分子に掛けておくと, 収束値がシンプルな分数になるというのは, 何となく Fibonacci 数らしさを思わせるところがあります.
先ず左辺の形がへんてこです. Fibonacci 数は凡そ指数のようなものですから, 指数の中に指数. 技巧的な計算法が様々あり, 導出から結果までの全部において一, 二を争う楽しさが潜んでいる無限和です.
最後の級数は有限和ですが, これは Fibonacci 数列の母函数と呼ばれるものを調べることによって得られます*1. 大した変哲も無い二項係数の和を計算すると, それが丁度 Fibonacci 数になるということを表しており, Pascal の三角形を書いて実際に足し算をすると, 面白みを体感することができます.